
1.こいぬの成長
哺乳動物は、ほとんどの場合生まれていろいろなものを感じ取る ようになるまでは、持って生まれた行動特性(本能)により行動が制御 されています。
いぬやひとを含めた哺乳動物では、成長過程における環境の違いは、 その個体の成長に大きく影響を与えていきます。遺伝学上では、一個体 は、両親の半分ずつの遺伝子を受け継いでいます。外見的な違いもあり ますが、内面的にも各個体で違いがあります。「お父さん似」「お母さ ん似」の違いですが、内面的な部分もこれが当てはまります。 一個体が親から受け継いだ遺伝的要素は、生まれた時に持っているもので「遺伝」と言いますが、これには当然「よい遺伝子」と「悪い遺伝 子」が受け継がれるでしょう。この場合の遺伝子の「よい」「悪い」は 決めつけて考えるものではありませんが、私達との生活に合うものと合わないものがある場合には、どうしても「よい」「悪い」を考えてしま うものであり、置かれている環境によって違いがあるものです。 さて、このよくも悪くも持って生まれた遺伝的なものは、今後の生活 に大きく影響するとともに、消し去ったり、改善していくなどということは、ほとんど無理と考えるべきでしょう。

社会性の高い哺乳動物においては、置かれている環境により成長とともに行動特性が変化していきます。これを「生後の環境」といい、 消し去ることのできない遺伝形質と同時に、内面的に取り込んで行動に 変化を与えていく要因となります。この「生後の環境」とは、周囲の状 況や他の動物との接触、学習などにより身につけていくものとなります。 動物の成長には、このような関係があり、一概に遺伝的要素が決まって いるからと言って、その動物の行動が決まるわけではなく、生後に置かれた環境により様々に行動や情緒反応に変化を起こしていくものであると言えます。
いぬは、わたしたち人と同じように周囲の状況を観察しながら、いろいろな刺激を得て学ぶ動物であり、いろいろな刺激や状況を積み重ねながら、蓄積した経験をもとに生きていきます。特にこいぬの時期は、好奇心旺盛であり、また様々な要因の中で学んでいくことを喜ぶという性質を持っています。いぬと共に生活をしていくわたしたち人は、最も適 した年齢において、この性質を発展させて人社会の中で快適に一生を過ごしていけるようにしていく責任があります。
いぬとの生活を快適に過ごしていくためのKEY(鍵)は、飼い主が上手にいぬが学習できる環境を作ることができるかどうかにかかっています。自由にさせておくだけではダメで「よい状況でいろいろな事柄を学ぶことを教える」という努力を惜しまずに生活を送ることが大切な こととなります。

こいぬの時期の若い脳は、あらゆる刺激を求めています。学ばなければならない時期には脳は扉を開き、脳内と外部の刺激とを繋いでいきます。この時期に外部との接触経験が少なかったり、多くの刺激に触れることができなかったりすると、成長していく段階でいろいろな刺激に敏感に反応したり、学習機能の麻痺を引き起こしたりする可能性があると言われています。
今回の資料は、plusWanAcademy飼い主さんのための勉強会「6ヶ月までの飼い方としつけの関係」テキストより抜粋いたしました。
みなさん、こんにちは。
Global.plusWanのこにたんです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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