こいぬの成長と学習②

1.いぬも哺乳動物、母いぬのお腹の中でしっかりと育つ。

いぬは母いぬのお腹の中に約63日間います。
妊娠後期になると外見的にもわかるようになり、飼養者(飼い主)は、母いぬがトラウマにならないように大きなストレスを与えないことと、落ち着いた場所をお産する部屋にするなど対策が必要なのです。
このページは、ブリーダーさんのためのものではなく、いぬを大切に飼ってくれる飼い主さんのためのものなので、いぬとの暮らしを始めたいと思っていらっしゃる方には、できるだけこいぬの両親を見ていぬを選べるとよいと思い ます。
両親の性格やいる環境をよく調べて、臭いがなく清潔な環境で育ち、陽気で朗らかな性格のいぬを選ぶことで、将来的にも安定した行動特性を示す確率が高くなります。
両親の育った環境がストレスいっぱいで不潔な状 況で育ってしまうと、生まれてきた子いぬに与えていく影響もかなり大きくなってしまいます。

2.生後1ヶ月齢からは、周りの環境と刺激に馴れる時期です。

産まれたばかりのこいぬは、約2週間母乳を飲み眠ることが仕事でそれ以外のことは、ほぼありません。
母いぬはせっせと母乳を飲ませることと排泄を促すためにこいぬをしきりに舐めることを毎日します。
母いぬが子 いぬを舐めることで、精神的な安定性を促すと言われています。
産まれて2週間が経過すると、こいぬは移行期に入り目が開き耳の機能が働き始め、周辺にあるもの(刺激)を感じるようになり、鼻の機能が働き始めるといろいろなものを確認する動作を始めていきます。
近くにいるのは兄弟であり、母いぬですから毎日の接触を通して将来必要な社会性を身につけていきます。
生後3週目ごろから兄弟同士の接触が密となり、「ヒャン」という鳴き声を発しながら取っ組み合いをするような仕草が増えてきます。
また母いぬにちょっかいを出すような仕草も増えて、母いぬとの接触の中で「服従する」ことの重要性を遊びを通じて覚えていくのもこの時期です。
このようにして母いぬ、兄弟との接触を通じて活発に行動するようになり、生後1ヶ月を越える頃には刷り込み期となり、社会性を身につける初期段階から兄弟同士の取っ組み合いが頻繁になり、その取っ組み合いという遊びを通じて、五感(触覚、聴覚、視覚、嗅覚、感情感覚)を研ぎ澄まして「速さ」「柔軟性」「確実性」を身につけていくようになります。
この時期は、こいぬの接触行動が多くなるので、人との接触も多くしていかなければならないのです。
大切なことは、人の手で触れてやること、離乳食を人が与えること、いろいろな人に会わせること(この時期は触らせることではなく見せること)が重要なことになります。
このようにすることで、こいぬたちがこれから新しい環境に巣立っていく準備をしていく責任が私たちにはあることを認識してください。

3.生後3ヶ月齢は、周りの探索と遊び相手を探す時期です。

新しい環境に入ったこいぬは、様々な刺激に慣れるために臭いを嗅ぎながら探索を始めます。
この時期は、学習による刷り込みをするように脳から指示が出ているため探索や遊びが旺盛になりますので、しっかりと対処する必要があります。
またこの時期は飼い主を遊びに誘うという行動が顕著に表れてきます。
これは自分に注目してほしいということと狩猟本能が狩りの練習をしなさいと言っているため、例えば「走り回る」や「噛む」という行動が多くなるのです。
この頃は思いっきり遊んで寝るという行動も多くなります。
これはこいぬ期はエネルギーをため込んでおくことができないためで、しっかりと相手をしてやってコミュニケーションをはかることが必要です。
この時期は、ワクチン接種が完了していませんから、お散歩に連れて行くことがなかなかできない時期でもありますが、首輪やハーネス、それとリードに慣れさせることも必要となります。
まず室内(ケージやサークル 以外)では首輪やハーネスをつける習慣をプログラムします。
この時期のこいぬをお散歩に連れて行くには、十分な注意が必要となります。
基本的に、他のいぬとの接触を避ける、排泄物の臭いを嗅がさない、草むらに行かない、雨の日には行かない、長時間連れ出さないなどに留意しながら、人社会のあらゆる環境や刺激に慣れさせること、飼い主について歩くことを教えるという観点で行うようにしましょう。

4.生後4ヶ月齢は、「噛む」「かじる」という行動が頻繁になります。

この時期には、「噛む」という行動が頻繁に現れます。
こいぬの相手をしてやろうと思っても、すぐに口先が出て「噛んでくる」という動作をします。
しかし、この時期の噛む行動は脳から指令が出ている行動なので「噛んではいけません」ということをこいぬに教えることもナンセンスです。
へたに矯正しようとするとストレスとなり、最終的には噛む行動がエスカレートしてしまうことになりかねません。
こいぬにとって噛む行動をなくすことはできないので、噛むと言う欲求を飼い主ではなく別のものに向けさせてやることで、その場をやり過ごしてみたり、もしくは飼い主がこいぬに構わない「無視」という方法が効果を上げます。
決して叱るという行動に出ないよう注意して下さい。
どうし ても噛むという行動がひどいと思われたら専門家(陽性強化法トレーナー 及びインストラクターが望ましい)に相談することが大切です。
エネルギーの発散と社会化という面から、お散歩にはどんどん出るよう にしましょう。
近所にパピークラスをやっているところがあれば参加してみるのもいいでしょう。
また、おとなのいぬのしつけ方教室への参加もこの頃から検討してみることも必要で しょう。
※パピークラスとは、仔犬の社会化プログラムを実施する教室で、いぬの訓練というよりコミュニケーション中心にインストラクターが指導をしてくれます。
パピークラスは陽性強化トレーニングの手法を使っている教室を探すことをお勧めします。

5.生後5ヶ月齢は、リーダーを決めるようになります。

この時期になると、身体も大きくなり行動にも変化が現れてきます。
特に歯が生え変わるのが、この時期になるため一層「噛む」という行動が顕著になります。
どうしても私たちは叱りがちになりますが、エネルギーをため込んでしまうため、後で思わぬ形で出てくるようになってしまいますので注意しましょう。
この頃は、飼い主を「信頼できるリーダー」かを確かめるようになりま すので、しっかりとしつけやトレーニングを行うことが重要です。
特に重要なことは「指示に従う」つまり飼い主の言うことを聞くということです。
指示に従う回数が多くなれば、それだけ飼い主を主人と思うようになるのです。
いぬは人と違い、「主人を得た自由」を喜ぶ動物です。
しっかりとト レーニングをしていきましょう。

この資料は、plusWanAcademy飼い主さんのための勉強会「6ヶ月までの飼い方としつけの関係」より抜粋して掲載しています。

Global.plusWanのこにたんでした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
感謝!

投稿者: globalpluswan

高校を卒業後、民間の警察犬訓練所に見習い訓練士として入所。その後独立し、犬の繁殖と家庭犬のしつけトレーニングを行う。1994年にテリーライアン女史に出会うことにより、理論的なしつけトレーニングの重要性を痛感し、ボジティヴレインフォースメント(陽性強化すなわち正の強化による学習)によるトレーニング法を中心としたしつけを実施し、北陸(福井、石川、富山)を中心に動物病院、ペットショップなどでしつけ教室を定期的に開催する傍ら、ペットの専門学校での教務全般に関わりながら、学生に犬のしつけに関する講義を行っている。また、動物愛護事業にも行政と連携を図りながら活動している。そして、インターズーから出版される「新版犬のしつけ学」の著者でもある。 ・JAHA(公益社団法人動物病院協会)認定家庭犬しつけインストラクター ・一般社団法人ふくい動物愛護管理支援センター協会代表理事

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